読書レビュー。『読みたいことを、書けばいい。』読後の「心象」を書き記します。

「書評」「読後レビュー」なるものもを『やってみたい』、ブログを始める
1つのトリガーでした。
元々、私は映画鑑賞後やドラマ鑑賞後、読後、感想や自分の思いを妄想する事は嫌いでは
ありませんでしたから、薄っすらと
「できるかな?やってみたいな。」
と思っていました。
ただ、書評とは、読書感想文とは違って、本を評価・批評し「文章で紹介」する事です。
その本自体が物書きの専門家である「作家」、つまり、初心者ブロガーの私なんかより
「大先輩」が書いている文章である訳で、
「書評とは恐れ多い行為だなぁ」
とも思っていました。
そんな事を考えている時に、書店で手に取ったのが、この
「読みたいことを、書けばいい。」
でした。
初心者ブロガーの私からすると、全てが参考になる内容でした。
そして、「書けばいい。」とある訳ですから、
恐れ多いところではありますが、「読後レビュー」なるものを書いてみたいと思います。
読後レビュー 私の感想
本書は、「書くという行為」に対して、「5W1H」の原則に従って説明されています。
- 「何を(WHAT)」:第1章
- 「誰に(WHO)」:第2章
- 「どう(HOW)」:第3章
- 「なぜ(WHY)」:第4章
という具合です。
そして、最終章にて「いつ(WHEN)」「どこで(WHERE)」を
「いま、そこで」と書かれています。
また、「書くという行為」は地味で、孤独で、腰が痛い作業だけれども、
「わたしはあなたの書いたものを読んで面白がってみたい。感想を述べてみたい。」
と締めくくっています。
つまり、本書は、
全てのライターと呼ばれる人たちへの応援歌
なんだろうなぁ、私は感じました。
それが故に、本書に書かれている文章は、一癖も、二癖もある文章であるにもかかわらず、
読後、とても清々しい、ポジティブな気分にさせてくれる本です。
幾つかの心に刺さるポイント
本書は様々な方に紹介できる本ですので、手に取って読んでいただきたいと思います。
ですので、全てを晒すことはぜず、幾つか、私の心に刺さった部分を書きたいと思います。
定義をはっきりさせよう
定義をはっきりとさせる事で、自身が今何を書いているかが分からなくなることはない。
と書かれています。
書中の1つ例を挙げると、
著者は、我々の様なブロガーが書く文章を「随筆」と説明しています。
そして、随筆とは、
「事象と心象が交わるところに生まれる文章」
と定義しています。
つまり、「事象」に特化した文章、「心象」に特化した文章、その中間もあり、それを、
- 「事象」に特化して記述されたもの:報道、ルポタージュ
- 「心象」に特化して記述されたもの:創作、フィクション
- 上記のどちらでもない、間にある「随筆」という文章で綴り、読者の得るのが「ライター」
ライターは、定義に従い、「事象」「心象」どちらかに偏ってはいけないと、書かれています。
私の書く「ブログ」なるものは、モノの解説だけをしていてはダメだし、自身が感じた事だけ
独りよがりに書いてもダメだという事です。
ターゲットを想定しなくていい
営業の仕事をしていると、どうしてもマーケティングを考えてしまい、ターゲッティング
を細かくしてしまう癖があるのではと思います。
書内で、ビール会社の営業担当の喜劇が紹介されています。その喜劇中のビール販売担当者が、
あるビールに
「女の冬の風呂上がりのビール」
というキャッチコピーを出した所、
「女」で1/2、冬で1/4、風呂上りで1日の中の1時間程度(1/24)に限定されているから、そこにしか売れない。
「みんなのビール」
と誰にでも当てはまるキャッチコピーにしろと上司に叱責されるお話しです。
特定の誰かに対して書くのではなく、自身が納得のいく面白いと感じる文章を書きなさい
という、著者からのメッセージでした。
物書きは「調べる」事が9割9分5厘6毛
ライターの考え1%を伝える為に99%がある。
心象を伝える為に、事象を固める必要がある。
その為に最も使い勝手が良いのが「図書館」。という事が書かれています。
この章での筆者の文章の強さが非常に濃く、徹底的に調べつくす事がライターには
大事であることが書かれています。
まとめ
本書の所々に、著者のネタというか、笑いどころというか、照れ隠しというか、
が分散されており、飽きなく最後まで読めます。
著者も書いていますが、「文字が少ない本」に仕上げていると書いている(?)
ので一気に読めば、数時間で読めるのではないでしょうか?
私の様な、ブロガー初心者や「物書き初心者」にお勧めの本ではありますが、
著者の前職が電通であった事もあり、全てのビジネスマンに得る事がとても多い本と思います。
(著者はビジネス本は嫌いであるとのこと)。
また、文章選び、言葉選びの大事さを学ぶ事ができると思いますので、言葉を司る
学校の先生、保育士、新人ママさん、新人上司、営業マン、
など、人前に立つ人にはお勧めの本となっています。
著者紹介
田中泰延(たなか ひろのぶ)
1969年大阪生まれ。早稲田大学第二文学部卒。学生時代に6000冊の本を乱読。1993年株式会社電通入社。24年間コピーライター・CMプランナーとして活動。
2016年に退職、「青年失業家」と自称しフリーランスとしてインターネット上で執筆活動を開始。webサイト『街角のクリエイティブ』に連載する映画評「田中泰延のエンタメ新党」「ひろのぶ雑記」が累計330万PVの人気コラムになる。その他、奈良県・滋賀県・福島県など地方自治体と提携したPRコラム、写真メディア『SEIN』連載記事を執筆。映画・文学・音楽・美術・写真・就職など硬軟幅広いテーマの文章で読者の熱狂的な支持を得る。「明日のライターゼミ」講師。本書が初の著書。
ツイッター界の田村正和と呼ばれた男だ https://t.co/t5CW55jdh6 pic.twitter.com/rsMzOTLLCj
— 田中泰延 (@hironobutnk) September 17, 2019
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