読後レビュー。『「ついやってしまう」体験の作り方』。UX入門書。営業職やサービス業種にお勤めの方、親、教師にも必読の1冊。


2019年8月発行の新しいビジネス本です。

ブログを書くようになって、購入する(読む)順番を決めて、書店で本を眺める様に

なりましたが、今回の本は、その順番を、飛ばして「読みたい」という思いが強くなり、

4冊目の『読後レビュー』にしました。

私の主職サービス業の為、参考になりそうな気配があった事と、表紙のデザイン、

「任天堂企画開発者」という文字で買う事を決めました。

サブタイトル

人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

というセンテンスにも惹かれました。

読後のまとめ

強く心を動かされた体験の記憶が、その人の人生を豊かにしていくと著者は語ります。

そして、逆説にとると、人生を豊かにする記憶には、心を揺さぶられるような体験が

必ずあると。

無数の人の心に響く体験をデザインする事ができれば、きっと、無数の人々の人生を豊かに

できると、著者は説いています。

この本の中では、

体験:人の心を動かさせる事柄

デザイン:企画、企画する事

と定義しています。

そして、その体験を、著者が2010年まで在職していた「任天堂」という会社が扱うゲーム

置き換えて、題名でもある「ついやってしまう 体験」デザインを学問的に考えるのが、この

本の主題となっています。

  1. 「つい」やりたくさせてしまう
  2. 「つい」熱中させてしまう
  3. 「つい」誰かに言いたくさせてしまう

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「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ [ 玉樹 真一郎 ]

1.「つい」やりたくさせてしまう

1章では、世界一売れたスーパーマリオを題材に話題を進めています。

本中、著者が読者に問いかけます。

スーパーマリオは何をしたら勝ちでしょう?」、と。

答えは、「右に進む」。

ゲームがスタートした瞬間の画面。マリオが画面左側に立っていて、右側を向いています。

プレーヤーは十字キーがついているコントローラーを手にしています。

プレーヤーは「右に進む」と仮説を立て、十字キーの右ボタンを押し、試行してみます。

すると、画面が動き、プレーヤーは「合ってた」と歓喜します。

マリオのスタート画面には、右に進むとも、コインを獲得するとも、時間通りクリアせよ、とも

勿論、クッパを倒せとも、ピーチ姫を助けよとも書いていません。

プレーヤーはスタート画面コントトーラーを見て、直感的に「右に進みたくなる」と

衝動にかられます。

この「直感的な衝動をデザイン(企画)」する事で、プレーヤーは体験の一歩を進みます。

「スーパーマリオ」が面白いかどうかを感じるかどうかは、もっと先の未来。

まずは、直感をデザインし、

仮説 → 試行 → 歓喜

のサイクルに取り込む事が、体験の第一歩と述べる訳です。

2.「つい」熱中させてしまう。

直感をデザインする事、仮設→試行→歓喜 のサイクルがユーザーを「ついつい」体験に

いざなう事は1.で述べました。

人の脳は「学びたい」という欲求がある為、「仮説→試行→歓喜」のサイクルを繰りかえしたい

と望む訳ですが、サイクルが繰り返されると、「仮説」自体に、不安な要素が無くなってきたり、

飽き、疲労が生じてきてしまいます。

そこで、本中ではこの「疲労、飽き」の解決に、ドラクエの「ぱふぱふ」を例に出し説明しています。

ドラクエを進めていくと、ドラクエ自体「教科書的」「王道」「真面目」といった印象を持ちながら

持ち始めます。

そこに突然「ぱふぱふ」という、ドラクエらしからぬ状況が発生します。

するとプレーヤーは「こんなシリアスなゲームに『ぱふぱふ』?」と自身のゲームに対する印象を

覆されてしまします。

思い込みを破る「タブーのモチーフ」で「驚きのデザイン」を加え、飽きと疲れを軽減させます。

作者は、プレーヤーを驚かせる「タブーのモチーフ」として、10個、例に挙げています。

  1. 性のモチーフ
  2. 食のモチーフ
  3. 損得のモチーフ
  4. 承認のモチーフ
  5. けがれのモチーフ
  6. 暴力のモチーフ
  7. 混乱のモチーフ
  8. 死のモチーフ
  9. 射幸心と偶然のモチーフ
  10. プライベートのモチーフ

昔のゲームは、10~20時間でクリアできましたが、今は100時間、200時間というクリア時間

は当たり前。

長く継続させるためには、「直感のデザイン」と「驚きのデザイン」の繰り返しが重要である

と作者は説いています。そして、これを繰り返す事で、「つい」熱中することにいざなっていきます。

3.「つい」誰か言いたくさせてしまう

さて、「つい」熱中させる体験に導く事ができました。

最後に、この体験をプレーヤー自身の心に強く響く記憶として押しとどめておく為に

誰かに語りたくなってしまう程の体験に昇華させる必要があると作者は言います。

この章では、いくつかのゲームを紹介しながら、「物語」とは何ぞや、という点から

話題がスタートし、プレーヤー自身の意思において、その物語を帰結させる事で、

自分の物語を語りたいと思わしめることができると説いています。

体験においてプレーヤーが受けた感情、苦楽あっての成長、そして、自身で意思決定した物語を

語りたくなるのは、ごく自然の事だと説いています。その為に

  1. 翻弄:物語を理解しようとするプレーヤーを翻弄し、物語らせる
  2. 成長:物語中の主人公同様、プレーヤーを成長させる
  3. 意思:プレーヤー自身の意思で運命を切り開かせる

1.2.3を体験させる必要があると説いています。

まとめ

著者は、「わかる事務所」という屋号で企業し、青森県を中心にコンサル業を行っています。

また、八戸大学院で教鞭も振るわれています。

本書は、「UX(ユーザーエクスペリエンス)」の入門書として書かれています。

「UX」というとHPやWEBデザイナーの言葉ですが、それを商品、サービスに置き換えて

考える入門書として書かれている事が特徴です。

また、図解や絵等が入場目られており、非常に読みやすい構成になっていますし、

後半には、応用編(実践編)もある為、入門書にとどまっていません。

ビジネスマンや人を教えるコーチ、親なんかにも読んでもらえると良い本ではないでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ [ 玉樹 真一郎 ]